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#9 東京都リーグ屈指のフォワード

東京のフットボールに関する様々なイシューをコラムで綴る「FOOT ISSUE」
第9回は関東リーグ昇格を目指す強豪クラブの“ストライカー”のオハナシです。

東京都リーグ屈指のフォワード ~青梅が誇るスピードスター~

爆発的なスピードで相手を置き去りにし、高い決定力でゴールを陥れる。青梅FC・FW岩田朗は、東京都1部リーグで図抜けた力を持っている。対戦相手は必ずと言って良いほど、このストライカーを警戒する。岩田を抑えなければ、青梅を止めることは出来ない。存在感は半端ではなく、岩田が囮となって周囲を活かすこともできる。抜群の得点感覚は、結果にも表れている。

青梅・北原由監督も「岩田は武器」という。北原監督は、チームの目指すスタイルとしてFCバルセロナを挙げる。パスを繋ぎながら敵陣を切り崩していく攻撃は、試合の中で随所に見られる。それでも、岩田という絶対的な個がいるため、「彼のスピードだけで崩せてしまう」と笑う。

憧れはキングカズ

青梅のゴールシーンを巻き戻すと、こういう形がある。相手ディフェンスラインの裏に抜けた岩田へパスが送られ、次の瞬間にはネットが揺れている。「僕は裏に抜けるのが得意ですし、ひとつのパターン」と言うように、青梅の武器として確立されている。

そんな岩田の憧れは、キングカズ、三浦知良選手だ。

「昔から、カズさんが好きでしたね。大事な場面で決めてくれるイメージが強くて、自分もそういうプレーヤーになりたいと思ってきました」

青梅での岩田の位置づけは、岩田のイメージするカズ像にぴったり当てはまる。大事な場面で必ずゴールを奪い、味方に歓喜を運ぶのは、岩田の役目だ。格別の存在感を放ち、結果を出し続ける岩田。彼を見ていると、当然というべき疑問が湧いてくる。

なぜ、東京都リーグ1部でプレーしているのか。このリーグ自体のレベルは非常に高く、洗練されたチームや目を見張るような選手に出会うことがある。岩田もそんなプレーヤーだ。彼ほどの実力者なら、関東以上の舞台でも通用しそうだ、というのが筆者の率直な感想だ。実際、かつてはそういった挑戦をしていた。

「今はもう28歳なんですけど、20代前半の時は、一応上を目指してみようかなと思っていました。色々セレクションだったり、狙えそうな所はチャレンジしてはいました。働きながらサッカーができる佐川の会社に入って、佐川コンピュータシステムというチームでやっていたんです。それでも、やっぱり青梅に戻ってきたいと思って、その頃から青梅を関東に上げたいという思いが強くなりました。それからは、他のチームでやるというのは考えていないです」

岩田と青梅FCの関係は長い。大学に入学してすぐに青梅FC・DIEGO(当時のBチーム)に加わった。一度はチームを離れたものの復帰。今では青梅を関東リーグに復活させる事だけを考えてサッカーに打ち込んでいる。

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