#33 4/21 チャレンジリーグ第3節 スフィーダ世田谷 vs 静岡産業大
田中麻を前線に上げ、意地を見せるも…
後半に入り、スフィーダは後ろからパスを繋ぐ意図を持って試合に入った。しかし、そこを相手に狙われプレスの餌食となる。持ち味であるパスワークを発揮できず、前半同様、前へと急ぎ過ぎる場面が目立つ。
川邊監督が、「ビルドアップの所でプレスに来られ、選手達が怖がっていた」と話すように、相手のアプローチから逃げるようにボールを送っていた。最前線の石渕もボールを受けようとすると、すかさず相手が寄せてきて自由になれない。
それでも、後半25分を過ぎた辺りから相手ゴール前まで迫れるようになる。左サイドでFW森仁美とDF福原菜緒の連携から仕掛けていき、押し込んでいく。川邊監督もここが勝負所と判断し、タッチライン際まで出て、「ここチャンスだぞ!」と選手達を鼓舞する。35分には、右からのアーリークロスを途中出場のFW笹子正惠が、滑り込みながらシュートも枠を逸れる。試合終盤にはセンターバックの田中麻を前線に上げ、なりふり構わずゴールを目指す。
そして44分、スフィーダの粘りが結実する。ゴール前のこぼれ球に、いち早く反応したのは田中麻。右足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺した。チームメイトが、田中麻に駆け寄る。
だが、試合はまだ終わらない。終盤の同点劇を喜ぶスフィーダの選手達を尻目に、静産大がキックオフ。そのまま攻め込み、ディフェンスラインを破る。ラストパスを受けたMF石田梨紗が、GKを嘲笑うようにループシュートを決めた。一瞬のうちに勝ち越し点を許した。自陣ゴールから一番遠い所にいたセンターフォワード・石渕は、ガックリとしゃがみ込んだ。
再び同点に追いつこうと攻め込むも、時すでに遅し。スフィーダの開幕3連勝はならず、今シーズン初の黒星となった。
試合後の川邊健一監督コメント
-試合開始から押し込まれましたが、試合の入り方はいかがでしたか?
「良くなかったです。相手のプレッシャーを受けてしまい、自分達の良さをなかなか出せませんでした。」
-アーリークロスが多かったように見えましたが、監督の指示だったのですか?
「あれは僕の指示ではなく、選手達の判断でした。パスを繋いでいこうと言っていたのですが、ビルドアップの所でプレスをかけられたので、選手達が怖がってしまったのだと思います。」
-同点に追いついた直後に勝ち越されてしまいましたが?
「前線に上がっていた田中麻をセンターバックに戻す選択肢もありましたが、ホームなので勝たなければ意味がないと思い、前線に残しました。1点取れれば2点目も取れると思ったのですが逆に失点してしまいました。」
-次節に向けて一言お願いします。
「アウェイですし、ジュブリーレ鹿児島は対戦した事の無い相手ですが、是非勝利を持ち帰りたいと思います。」
(了)