#14 11/27 JFL後期 第17節 FC町田ゼルビア vs アルテ高崎
後半、ゼルビアは更に畳み掛けて試合を決めたい所だったが、アルテに同点ゴールを決められてしまう。7分、右サイドからのアーリークロスにFW益子義浩が頭で合わせる。吉田が前に飛び出して防ごうとしたが、相手の方が早くボールに触れた。勝ち越したいゼルビアは9分、ハーフウェイライン付近でボールを受けた勝又がドリブルで一気に持ち込みシュート。しかし、枠を捉えられることができない。
後半に入ってアルテの動きが良くなった。ゼルビアのパスワークを寸断し、その度にカウンターを仕掛けた。前線の土井やFW松尾昇悟がキープ力を活かし、味方が上がる時間を作っていた。13分、ゼルビアは酒井に代えてFW北井佑季を投入し勝負に出る。ところが20分、2点目を挙げたのはアルテだった。右サイドからのクロスに今度は土井が頭で決めてネットを揺らした。この場面も吉田が前に飛び出して処理しようとしたが、先に触られてしまった。
その後、ゼルビアは焦りからか不用意なパスミスやトラップミスが目立ち始める。アルテが高い集中力を保ち、隙がなかったのは間違いないが、ゼルビアらしくないミスの連鎖だった。チャンスを全く作れなくなったゼルビアを尻目に、アルテが試合を決める。38分、左サイドでボールを持った松尾がそのまま持ち込み、シュートを決めた。ゼルビアの高いディフェンスラインをぶち抜いてのゴールだった。
そして、試合終了。ゼルビアはよもやの敗戦となった。ただ、今日はアルテが強かった。同点に追いついた後、バイタルエリアは固めたが引きこもるという訳ではなかった。しっかりプレスをかけ、ゼルビアからボールを奪った。そして、素早く前線にボールを預けてゴールに迫った。その攻撃は非常に効率的であり、迫力があった。試合後、選手達が挨拶に向かうとスタンドからは「まだ2試合あるぞ」という声がいくつもあがった。
15位と下位に低迷するチームとは言え、JFL残留をまだ手にしていないチームの戦う気持ちが上回った試合ではなかったか。5位・松本山雅が引き分け以下に終わり、町田が勝利し4位以内を確定させればJ昇格という状況だったが、選手達に多少の気負いがあったのかもしれない。結局、同時刻の松本山雅vsホンダロックSCは2-0で山雅が勝利し、3位に浮上。ゼルビアは4位に後退し、12/11の最終節までJ昇格争いは縺れそうだ。
試合には負けてしまったが、クラブにとって喜ばしいことがひとつあった。この日、6130人もの観客が訪れた。試合が始まってからもたくさんの人が入場したため、バックスタンドには入りきらず、アルテサポーターの応援地帯以外のアウェイゴール裏も開放された。J2昇格は確定しなかったが、ホーム平均入場者数3000人というハードルはクリアした。
まだ自分達は何も手にしていないんだ、と気を引き締めてポポビッチ監督と選手達はアウェイでのアルテ高崎戦に臨む。もう同じ轍を踏むことは無いだろう。再び野津田に戻ってきた時は、この日以上の熱気がスタジアムを包むに違いない。