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#2 8/21 J2 第25節 栃木SC vs FC東京

成長過程の東京を破った栃木の一徹さ

 同点に追いついていれば「栃木との差も維持できたし、アウエーだから勝ち点1で十分」という評価が下っていたはずだ。
 だから塩田仁史が言うように2失点目は痛かった。あの水沼宏太のすばらしいゴールで、栃木は東京の息の根を止めた。

 田邊草民は「栃木SCはカウンターと割り切っていた」と指摘した。たしかに、栃木は中央に絞って守備をし、しかし先制点のように高い位置でのボール奪取を志向し、そこからの迫力ある攻めをするという、ひとつのやり方に徹していた。
 その一徹さが東京を打ち破った。東京はチャンスの回数こそ多いものの、決定機の決まりそうな雰囲気、精度はあきらかに栃木のほうが上回っていた。

 東京が得点できたのは、結局試合終了間際になってからだった。鈴木達也の入り方、ポジションがいいのは確かだが、泥臭く、死にものぐるいで点を獲る気持ちがそこで見えるのなら、もっと早く「つなぎ」を放棄して攻めるべきではなかったか──。

 しかし選手たちは一様に、先制されても慌てずにボールを廻しつづけていた。そのスタイルで敗れるのなら、その結果を受け入れようという覚悟が、東京イレブンにはあった。

 アディショナルタイムのゴールは、カウンターを喰らうリスクを背負って前がかりに攻めた時間帯だからこそ得られた結果でもある。
 今後の課題はゾーンのバランスを崩さない時間帯に点を獲る方法を確立すること。
 勝ち点3を失って得た教訓だ。

 奇しくもつなぐサッカーを貫くことで、成長過程に受け入れなければならない結果に巡りあってしまった東京。
 2週間後の再戦は「目先の勝ち点よりも成長することのほうが大事」とは言えない。自分たちのスタイルを貫くのはいいが、栃木に連敗してしまってはJ1昇格が果たせなくなる。

 つなぐサッカーを貫きながらの成長が間に合えば、自分たちのスタイルを完成させたうえで昇格できるだろう。それが果たせなければ、昇格か完成か、いずれかを逃す。

 ここからが正念場だ。

 

featuring TokyoWasshoi!MM
この記事は、トーキョーワッショイ!J2リローデッド 053【栃木の術中に嵌った東京。この一敗は成長の過程に於ける結果と割り切るしかないが、ライバルとの差は縮まった】を、東京偉蹴FOOTBALL向けに加筆、修正、再編集したオリジナルエディット版です。
http://tokyowasshoi.jp/
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(著者プロフィール)
後藤 勝(ごとう・まさる)
フリーライター。サッカーはFC東京を中心に取材。公式メールマガジン「トーキョーワッショイ!MM」を週二回配信中。新著の執筆に余念がない。

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