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【試合結果 都リーグ1部】東京都社会人サッカー1部リーグ

《試合レビュー》都リーグ1部 東京23FC vs 早稲田ユナイテッド
先に主導権を握ったのは東京23FCだった。東京23はテンポよくボールを繋いでサイドの高い位置までボールを運ぶと、センターリングから得点を狙う。早い時間帯の先制点が期待された。対する早稲田ユナイテッドは押されながらも重心を高く保つ。東京23が少しでもボールを後方に下げたならば、早稲田はチーム全体で押し上げ、素早いカウンターを仕掛け続け、徐々に勢いづく。

東京23は相手の勢いを押し殺そうとボールを回す。回そうとするのだが、得点を取りあぐねている前線の選手はそうもいかない。選手から焦りが滲み出し、一触即発の場面もあった。

前半27分、FW山本孝平がゴール前で倒され、フリーキックを得る。ゆっくりと壁をセットする早稲田だったが、これが隙となった。実はこの時、試合が止められていない。東京23のキックで試合が再開される場面だった。東京23は無人のゴールにボールを蹴り込んだが、ボールは左ポストを叩いた。

スコアレスで迎えた後半は不気味なほどに静かに始まる。両者共に目まぐるしく攻守を入れ替えていたため、見た目は攻撃の応酬だったが、得点機は少なかった。

静かな立ち上がりで好機を掴んだのは東京23だった。後半7分、FW山本孝平が縦パス一本で最終ラインを突破する。山本(孝)は早稲田Uにとって最も警戒すべき選手だったはずなのだが、不思議なくらいまでにフリーだった。山本(孝)はこの好機を逃さない。冷静にGKとの一対一を制すると、得点が遠ざかっていた今までの鬱憤を晴らすかの様に、ボールをゴールネットに叩きつけた。東京23が先制に成功した。

試合の流れはそのまま東京23に傾く。得意のパスサッカーを封印。後方でボールを回した後、これ以上ないくらいシンプルにボールを前線に送り続ける。

手詰まりとなっていた早稲田は、30分過ぎに立て続けに3人の選手を送り込むと、再び勢いを取り戻す。39分、右サイドを起点に攻撃を組み立てると、MF吉村翔がペナルティエリア内右側からゴール左上をフワリとした軌道のシュートを放った。GKも諦める完璧なタイミングで放たれた一発だったが、ボールはクロスバーを叩いた。早稲田ベンチと観客席は一斉に天を仰いだ。

勢いを取り戻した早稲田だったが、反撃は実らず試合終了を迎える。東京23が淡々とした大人のサッカーで1点を掴み、守り抜いた。東京23は華麗なサッカーだけでなく、勝つためのサッカーも出来ることを証明した。

②《試合レビュー》都リーグ1部 FC.フエンテ東久留米 vs 青梅FC
試合はめまぐるしく攻守を入れ替えて始まる。どっちつかずとも言える展開ではあったが、やがて青梅FCの攻勢となる。青梅はDF津久井弘伸がオーバーラップをしかけるなど、横に広くピッチを使ってポゼッションを高めた。

試合は徐々に加速を始める。その結果、カウンターの応酬となったのだが、その先駆けとなったのはFC.フエンテ東久留米だった。東久留米は最終ラインで適度に溜めたのち、ハーフェラインを過ぎた辺りで一気に最終ラインの裏へとボールを転がす。東久留米の速攻はシュート精度こそ欠いたが、なかなか強力だ。

東久留米の速攻に比べて、青梅の速攻の違いは厚みにある。東久留米の速攻は一発ずつで終了するのに対して、青梅の速攻は必ず二次攻撃が行われていた。

東久留米の速さに特化した速攻と、青梅の厚みのある速攻、2つの速攻が忙しく行き交った。しかしながら、忙しかった割に前半は得点が動かなかった。

後半戦で先攻したのは青梅だった。後半2分、青梅は左サイドの高い位置でボールを持ったFW岩田朗が強めのボールをゴール前へ送る。ゴール前を通過したボールは、逆サイドにいたMF栗島亮一へと渡った。しかし栗島はこの好機を生かせない。 青梅の好機で始まった後半戦、やはり順位で勝る青梅がこの試合も制するのか。そう思ったのもつかの間だった。

4分、東久留米はMF垣本右近が前半から繰り返していた形で最終ラインの突破に成功する。垣本は飛び出していたGKを交わして無人のゴールへとボールを流し込んだ。

前後半の大きな違のひとつにGKのプレーが変わったことが挙げられる。前半は殆ど前に出てこなかった青梅のGKだったが、後半はやたらと前に出てきた。東久留米の速攻を警戒しての対策だったのだとは思うのだが、結果的に青梅はこれが仇となって失点した。青梅は後半10分にもGKの不用意な飛び出しが原因となって更に失点を重ねる。

東久留米の2点リードとなった試合はやがて膠着を迎える。東久留米は速攻をあまり仕掛けなくなり、守備的な姿勢をとる。青梅にサイドを使わせる代わりに、中央へ絞る形をとった。

どうしても得点が欲しい青梅はサイドの高い位置へボールを運び、ゴールへと迫る。しかし攻めど攻めど東久留米の守備を崩す事ができない。青梅もそうなるとやがて攻め疲れが訪れる。37分、東久留米はまたしても速攻から得点を奪う。最終ラインを抜け出したMF垣本は22番とコンビで余裕のボール回しを披露し、試合を決定づける3点目を獲得した。

反撃したい青梅は39分に何とか1点を返す。しかし東久留米が時間稼ぎを始めたところで試合終了を迎えた。

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