#24 3/20 J2 第4節 横浜FC vs 東京ヴェルディ
『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #24
ゴールのためには、常に最良の選択をしなければならない
3/20(火)19時 ニッパツ三ツ沢球技場
2012 Jリーグ ディビジョン2 第4節
横浜FC 0-0 東京ヴェルディ
勝点2を失った試合
前節、東京ヴェルディは4ゴールを奪って快勝。一方の横浜FCは岸野靖之前監督を解任し、田口貴寛コーチが暫定的に指揮を執る事となった。勢いを持続させたいヴェルディと、嫌な流れを断ち切りたい横浜FCの試合は、開始からアウェイチームが主導権を握る。
前半9分、MF梶川諒太が仕掛けの合図となる縦パスを送り、最後はFWジョジマールが左足でシュート。相手GKにセーブされるも、縦パスに味方が呼応して作ったファーストチャンスだった。24分には、右サイドバックに入ったDF高橋祥平が前線にロングボールを送る。FW阿部拓馬が潰れてこぼれたボールがジョジマールに渡り、最後はMF飯尾一慶がシュート。ヴェルディはショートパスだけでなく、ロングボールも使いながら相手を押し込んでいく。セカンドボールも拾えており、完全にペースを掴んでいた。前節に続きコンビを組んだ、梶川とMF小林祐希の連携も良い。梶川が下がり目でパスを呼び込み、積極的にボールに絡む。
ただ、座って観戦している人が立ち上がるようなシーンには持ち込めない。ショートパスで繋げるところで敢えて大きな展開をするなど、相手を崩すための工夫は伺えた。しかし、ペナルティエリア内に侵入する崩しが見られず、決定的なチャンスは作れない。試合後、「センターにボールを入れてワンタッチというのを狙いすぎた部分があり、飯尾とか両サイドがフリーになっているところをもう少し使って開けられれば、横からの崩しもあったと思う。」と川勝良一監督は話した。攻撃が中央に偏りすぎたことで、停滞感こそないがワクワクするような場面もなかった。そんな前半はスコアレスで終わった。
ポスト直撃もゴールならず
後半、ヴェルディはボランチを起点にパスを回しながらじっくりと攻める。川勝監督はハーフタイムに、「無理に縦に入れずに、ボランチを使って広く動かそう。」と選手を送り出していた。ビッグチャンスは13分に訪れる。阿部のパスが飯尾に渡り、MF西紀寛がシュート。しかし、右ポストを直撃。続くCKでは、小林のボールにDF深津康太がフリーでヘディングも、枠を外れてしまう。
16分には、この日初めてのピンチ。「シュートを打っていこう!」という田口コーチの指示を受けた横浜FCは、FWカイオが左足で強烈なミドルシュートを放つ。GK柴崎貴広が横飛びでなんとか触り、コーナーキックに免れた。この後、ヴェルディはフリーキックのチャンスを得る。ボールをセットしたのは小林。クラブの誇るレフティーのキックはしかし、相手GKの守備範囲に飛んでしまう。
後半に入っても、ヴェルディペースは変わらなかったが、前半より動きが良くなった横浜FCもチャンスを作る。31分、横浜FCにワンツーで崩されエリア内で打たれるも、柴崎がブロックし事なきを得る。
37分、ヴェルディは梶川に代えてMF小池純輝投入。西がボランチ気味にポジションを取った。とはいえ、攻撃時は西だけでなく小林も前へ前へ行くなど、守備は度外視して攻めた。アディショナルタイム、ヴェルディがラストチャンスを迎える。相手のパスをカットし、ボールを拾った飯尾がグラウンダーで中へ送る。ニアサイドで阿部が合わせる。しかし、ここでも相手GK立ちはだかった。
川勝監督が「相手は失点したくないのであまり後ろは動いていない。選手からすると動かしながらの最後の裏とかが相当やりづらかった」と話したように、守備を固める相手に最終的な崩しが上手くいかなった。
相手の倍近くのシュートを放ったものの、結局スコアレスのまま試合終了。「中2日で、難しいゲームでうちもけが人が出て、交代のカードも目一杯切れない中で、選手はよくやってくれた」と川勝監督は選手達を労った。だがやはり、ヴェルディにとっては得た勝点が1ではいけない試合だった。
(了)