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#25 スフィーダ世田谷FC 3/24練習試合レポート

3/24(日)さいたま市・レッズランドでスフィーダ世田谷FCと浦和レッズレディースのTMが行われた。

2013チャレンジリーグ開幕戦となる4/7(日)のセレッソ大阪レディース戦を2週間後に控えるスフィーダ世田谷FC。この日のトレーニングマッチは30分×3本で行われた。

プレスがはまり過ぎて逆に戦いにくくなった

前日になでしこリーグ開幕戦を戦っていた浦和レッドダイヤモンズレディースは、控え組主体のメンバー構成。その中に、FW吉良知夏が名を連ねていた。レギュラー格が不在でも「レッズはレッズ」と、スフィーダ世田谷FC・川邊健一監督はこの日のTMを楽しみにしていた。そこに吉良という実力者がいた事は、スフィーダにとって嬉しい誤算だったかもしれない。

先週の日テレ・べレーザ戦後、川邊監督は浦和戦に向けてこう話していた。

「高いレベルのハイプレスにも慣れてきた。その中でどういう攻撃が出来るかというのは期待して見たい」

FW田中麻里菜を前線に配した事からも、指揮官の意図は伺えた。そしてスフィーダが主導権を握る形でスタートしたが、やや想定外の状態となった。川邊監督が説明する。

「こちらのプレッシャーに相手が焦ってくれて、押し込む時間が長かった。それで背後にスペースがなくなったので、逆に難しいゲームになった」

予期していなかった、自分達が押し込み続ける展開。それでペースが乱れたわけではないが、一瞬の隙を突かれてビハインドを背負うことになる。1本目の23分、スローインからサイドを破られると、折り返しを吉良に決められ0-1となった。息を吹き返した浦和Lは29分、裏へのスルーパスに抜け出した吉良が、GK川口真奈をかわしてゴールへ流し込んだ。

単独で打開出来るのが、田中(麻)の持ち味

2本目もメンバーを変えずレギュラー組で臨んだスフィーダは、田中(麻)が一矢報いる。5分にクロスバー直撃のシュートを放ち、惜しい場面を作る。そして7分、自らの突破から相手のファウルを受けてPKを獲得。これを自身の右足で決めた。この場面は、彼女の真骨頂が出た。一見強引にも思える突破で打開を図り、チャンスを作り出す。川邊監督は田中(麻)を、「一人で(相手の守備組織を)壊せる」と評している。昨シーズンは競った試合を取りこぼしていたが、原因の一つは『個』の打開力の欠如。それを解消するために田中(麻)を前線に置いたわけだが、この日のPK奪取までの流れは、監督の思惑を体現するプレーだった。

「私が出来る事はそれくらいだと思っている」と本人は謙遜するが、こういったプレーこそが昨シーズン足りなかった部分。サブ組とはいえ格上チームを相手にカタチを見せた事は、開幕に向けて前向きな要素だ。

川邊監督は次週もTMを望んでいるが、現時点では浦和L戦が開幕前最後のゲームだ。プレシーズンでのチーム作りは順調だったようだ。

「今年は例年よりも明らかに完成度が高い。なでしこリーグのチームとも戦えて、通用する所としない所が見えてきた。それはイコール、自分達のストロングポイントが見えている事でもある。良い状態で開幕戦を迎えられると思う」

メンバーも充実し、バリエーションも間違いなく増えた。なでしこリーグのクラブともTMを重ね、長所も随所に出せるようになった。チームの軸となる選手も固まりつつあり、後はスフィーダのサッカーをどれだけ見せ続けられるかだ。スフィーダにとって勝負の年となるシーズンが、いよいよ幕を開ける。

(了)