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#75 9/9 なでしこリーグカップ 決勝 INAC神戸レオネッサ vs 日テレ・ベレーザ

『東京偉蹴的 MATCH OF THE WEEK』 #75

リーグカップ決勝の舞台で遂にINAC神戸に勝利! 野田ベレーザ歓喜の初タイトル!

9/9(日)16時30分 NACK5スタジアム大宮
なでしこリーグカップ 決勝
INAC神戸レオネッサ 2-3 日テレ・ベレーザ

表彰式が滞りなく終わると、日テレ・ベレーザの選手達はサポーターの待つゴール裏へ歩みを進めた。タイトルを待ち望み、この日も声を枯らして声援を送った12人目の選手達と喜びを分かち合う。そして、野田朱美監督の胴上げが始まった。皆が笑顔で、優勝を祝福しあっていた。

前半、INAC神戸に逆転を許すも
悲観する内容ではなかったベレーザ

ベレーザは高い集中力を持ってこの試合に臨んだ。前線からの素早いプレスを敢行し、前半6分には先制ゴールを奪った。相手のパスをカットしたMF伊藤香菜子からスルーパスが送られる。走り込んで受けたMF小林弥生が切り返しから中央へ送ると、FW永里亜紗乃が右足で合わせた。「攻守の切り替えがカギになる」という野田監督の言葉通り、電光石火の速さで先制点をもぎ取った。

INAC神戸レオネッサも、もちろん黙っていない。徐々にペースを取り戻すと、中盤のトライアングルを中心にパスを繋ぎ、右サイドのFW川澄奈穂美がスピードに乗ったドリブルでチャンスを作っていく。そして23分、INACが同点に追いつく。MF大野忍、MF澤穂希と渡り、DF近賀ゆかりがスルーパスを供給。これを受けたMFチ・ソヨンが右足を振り抜くと、ベレーザ・GK松林美久の手をかすめゴールに突き刺さった。7分後には追加点を挙げ、逆転に成功した。

手痛い2失点を食らったベレーザだったが、試合を振り出しに戻す。前半44分、ハイボールを永里が競ると、こぼれたボールに自ら追いつく。フリーの状態で丁寧にラストパスを送ると、小林弥が落ち着いて決めた。1点目のアシストもこの背番号8によるものだ。「経験もあって、前線でポイントになれる。その良さを出してほしい」という野田監督の期待と信頼に見事に応えた。

悲願の初タイトルでリーグ戦に向けて自信を掴む

前半終盤に追いついたベレーザは、勢いそのままに後半に入る。ボールへの鋭い寄せで相手を自由にさせない。そして相手のミスを決して見逃さなかった。

後半11分、INAC・DF髙良亮子のバックパスを永里が拾うと、相手GKもかわして無人のゴールへパスを送るような丁寧さで流し込んだ。

この日2ゴールを奪った永里だが、それ以外にも競り合いにほとんど勝ち、楔のパスをしっかり収めて攻撃の起点にもなった。試合後MVPに選ばれたが、納得の選出だった。この日の彼女は文句なしの出来だった。

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